何もない毎秒

粛々とやり過ごして過ごす日々に嫌気がさして

幅1mの直射日光

  私の部屋では、直射日光はとても貴重だ。正午から2時間と夕方2時間程。目の前のビルの向こうを太陽が通りながら、私の部屋を照らす。幅1mに満たないぐらいの光が床に射す。観葉植物たちの日光浴タイムが始まる。小さな観葉植物が2つ。アロマティカスといういい香りがする肉厚なやつだ。光が射してる場所を探りながら、アロマティカスを置き、光が移動してしまったらまた置き直す。まんべんなく光を当てるために、鉢も回転させる。動かす度にふわっと香りが広がる。だんだんと太陽の方向に葉を広げて、ここぞとばかりに太陽光を得ようとしている。日照時間の短い部屋でもたくましい。

  私もその側に座って、直射日光を少しおすそ分けいただく。脚の先から膝くらいまでが日に当たる。脚がじわっと温まっていく、とても気持ちが良い。肌寒い部屋の中で、私の脚とアロマティカスだけが心地よい温かさを享受する。気持ちものんびりしてくる。スーパーに行くのは明日にしますか。

  もし猫がいたら。もし良く日の当たる部屋に住んでいたら。もし体いっぱいに日を浴びながら一緒に昼寝が出来たら。こんな気分なのだろうか。日の当たる場所に身を寄せる、なんの気も使わない、子供の時の友達同士のようだ。次引っ越す時は、南向きの大きな窓がある部屋にしよう。その時に私に寄り添ってくれるのが、このアロマティカスか猫か、はたまた新しい家族が出来ていたり、想像は広がるが、少なくともこのアロマティカスだけは連れていけるようにしたいと思う。また明日からも一緒に日光浴をして、すくすく成長してほしいものだ。